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里山文化紹介 – 菩提地区 その2

hadaknow_admin

こんにちは。今回も里山文化紹介の記事を開いて頂きありがとうございます。
先月9月は、本当に雨が多かったですね。雨が続く中でも立派に育ち、実をつけているお米たちから元気をもらいました。
10月になり晴れの日も多く、太陽の有難さをひしひしと感じます。植物や生き物、人間にとって、太陽の恵みがどれだけ大切かを痛感した一ヶ月でした。最近は秋晴れが続き嬉しいですね。

9月はじめのわさびや茶園さんのお米の様子。

実は、もともと、偶然のご縁が重なり今回菩提地区の取材をさせていただくことになったのですが、日々本当に有難いことに地域の皆さまから、多くの学びと気づきをいただいています。今回はそんな繋がりの中で、わさびや茶園さんから紹介して頂き、そこから菩提の自然や植物、生き物などなど、たくさんのことを教えていただいています、菩提にお住まいの小泉俊江さんに菩提地区を案内して頂き、また色々と話を伺いました。ここから何度かに分けて記事でお伝えさせていただきます。

小泉さん、秦野森林セラピーガイドとしてもご活躍。

菩提地区の周辺の自然のことなら何でも知ってる小泉さんに、今回はこの地域に古くから縁のある菩提五所神の一つ、「滝の沢不動尊」まで裏山を歩き、案内して頂きました。

滝の沢に向かう道中
滝の沢不動尊
滝の沢不動尊の祠

江戸時代から毎年4月17日にこの不動尊の大祭が行われており、現在でもその日に近い日を選び菩提滝の沢保存会の方々を中心に、参詣と祝宴が行われています。昔から菩提に住む人びとにとって大切な場所であったことを感じます。 

現在はあまり行く人は多くない様子ですが、滝の沢保存会の方々により道はしっかりと維持されています。小泉さんが子供の時、よく男の子たちはこの滝まで来て遊んでいたそうです。きっと裏山は絶好の遊び場だったのでしょう

今年の参詣前日の写真

山を歩いてる途中、ぼーっと木々を見ていると、「たくさん木があって、緑があっても、今のここの山は健康ではないんだよ。」とそっと小泉さんが教えてくださいました。確かにあまり木々が生き生きとしているようには感じられませんでした。

細く弱々しい木々。

詳しくお話を聞くと、今は当たり前にガスで火をつけているが、小泉さんが子供の時は、木を燃やして火をおこし料理をし、お風呂にも入っていました。だから、人々の生活に木は必要不可欠。頻繁に山に入り、手入れをしていました。

木造の家、大黒柱がある家が減っている中、今も大黒柱が残るわさびやさんのお宅。

木に頼り生活を送っていた時代から、日常生活でほとんど木を使う必要がなくなった今、里山の山を手入れする必要も、その時間も、それらをする人達もいなくなってしまっているのが現状でした。

一度人の手が加わった山では、人が介入することでバランスが保たれ、良い循環が回っていました。しかし、急にそれらが途絶えてしまい、山の木々は太陽の光を十分に浴びれずやせ細っています。元気でない森や山は、災害をもたらしやすくもなります。シカの大量発生や土砂崩れ…、里山の人々はこのバランスの崩れをひしひしと感じ暮らしていることを知りました。
「自然は自然でも、緑はあっても、今の山は元気ではない。」この言葉が強く心に響くと同時に、この事実が今の自分の生活と繋がっていることも痛感しました。

離れてみると山の状態はなかなかわかりにくい。  

そんな中でも山の一部を整備し守っている方々が菩提の地域にいらっしゃることを小泉さんが教えてくださいました。そこには以前、繁殖力の強い笹が一面を覆っており鬱蒼としていましたが、その方々により整備されたことで、土の下に眠っていた木花(ニリンソウや黒文字、エビネランなど)が咲き始めたそうです。また、繊維が多く鹿が食べない「ミツマタ(三椏)」という和紙の原料になるお花を植え、春にはきれいな黄色い花が咲き、写真を取りに来られる方もいらっしゃるそうです。

今年の春のニリンソウの花

鹿による被害もなく、多様な木花が育つ土壌、そして自然の良い循環が、やればちゃんと戻ってくること、そしてそれらに向き合い活動されている方々がいることを知りました。

山椒の芽

小泉さんは、去年の冬に「葛のツル」で籠を編むワークショップを開かれたそうです。秋の七草でもある葛ですが、かなり繁殖力が強くそのままにしておくと、ツルが伸び木に巻き付き木が元気に育たなくなってしまいます。実際に菩提に流れる川沿いには葛のツルに覆われた木がたくさんありました。 

フェンスからも出てくるほど勢いのある葛(初夏)

ワークショップを通じて、今の里山の様子を知ってもらうきっかけにもなり、またただ手入れをするだけではなく、身近な植物で普段使うものを自分で作れることを知るきっかけにもなる、とても素敵な場だと感じました。好評だったこのワークショップは、今年の冬も開催してくださる予定とのことです。

木を観察する小泉さん。

最後に、今回滝の沢不動尊に行くとことができたのも、道を維持してくださる方々がいるおかげであり、もし人の手入れがなければ、すぐに行くことができない場所になってしまいます。
里山という空間、その土地に根付く場所やもの、行事などは、様々なことが急速に変化する今の時代でも変わらず、人の暮らしと自然は繋がっていることや、お金や目に見える物では交換はすることができない、あたたかい何かがあることを伝えてくれている気がします。
それでは美しい菩提里山風景の写真と共に、今回もご協力頂いた皆さま、最後まで記事を読んで頂いた皆さま、ありがとうございました。

菩提に流れる川、毎年紫陽花の咲く時期わさびや茶園の山口さんが草刈りをしてくださっているおかげで美しい風景が見られます。
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