新規就農者紹介・阪下さん
ここでは秦野市内で新規就農を果たした阪下 充さん(34歳)を紹介しております。
2026.06.23
地域社会計画研究所/星
1.新規就農の経緯
(1)動機
阪下さんがそれまで勤めていた会社を辞めて、農業を志す動機となったのは、「一生、会社員で終わるのは嫌だと思い自営業を志した。ふと農業(自営業)を思いつき調べてみると、自分に合っているような気がした」ということでした。

(2)実際に作物栽培及び経営を始めるまでの経緯
阪下さんの出身は東京都町田市ですが、町田市でも市を挙げて、新規就農の促進に取り組んでいます。しかし、阪下さんが秦野市に決めたのは、第一に定住するための家賃相場が妥当であったこと。しかも家賃相場の割に秦野市は、都心部等への交通の便がよかったこと。第二に何より新規就農希望者のための市民農業塾のカリキュラムが充実していると感じた点でした。加えて、研修代も年間2万円という格安料金だったことも決め手となりました。

塾卒業後、直ぐにJAはだの及びはだの都市農業支援センターの紹介を通じて、農地を探していた阪下さんと農地を貸し付けたい大家さん(地主さん)とがマッチングした結果、市内南矢名地区の農地(生産緑地)を借りることが出来ました。更に、運が良かったことに、肥料等資材置き場について、大家さんの倉庫を借りることも出来ました。

2.経営の概要
令和8年6月現在での経営面積は約5,000㎡(市内3カ所)です。様々な野菜が露地栽培されていますが、主な作目はカブ、コマツナ、ニンジン、ブロッコリー、ナス、ミニトマトなどとなっています。特に現状、販売主力品目としては周年栽培しているカブとコマツナとなっています。販売先としては、JAはだのの大型農産物直売所「じばさんず」が80%とメインで、残り15%はほ場(生産緑地)に隣接した「無人販売所」での販売となっています。


野菜栽培上の工夫点としては、一作ごとに牛糞堆肥を入れている。なるべく除草剤は使用しない。また、防虫ネット掛けなどをして、出来るだけ農薬の使用を減らしている。更に、収穫と調製(出荷作業)に手間がかかるものとかからないものとを並行して栽培し、労働力配分の平準化を試みている」、などとなっています。
今後の経営方針としては、「今以上に直売所への販売量を増やす」、そして「栽培技術を向上させて、付加価値の高い作物を栽培したい」としています。

現在、抱えている経営上の主な課題点としては、「労力の省力化及び作業効率化のためにハンマーナイフ(草刈り機)といった農業機械の購入が不可欠」ということでした。
今後の経営方針等、以上述べたことにより「安定した収益確保を実現したい」としていました。
3.生業(なりわい)としての農業、その意義
現在、日本では働き方改革などいわゆるワークライフバランスを図り、精神面を含めて健康を維持し、真に豊かな人生を送ることを真摯に求める人々が、若い世代を中心に出てきています。

こうした状況下、それまで勤めていた会社(サラリーマン)を辞めて、新たに農業を生業とした阪下さんの事例は、冒頭の就農動機のところでもみたように、まさしく以上の問題意識を有しての、一つのモデル的生き方といえるでしょう。
ここでは、農業を生業とした実態について、約半年間以上にわたって阪下さんについて、都市農業振興、更には農ある暮らしの一モデル事例として紹介したいと思います。
